HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter75 『風見通信』 75-2


「なんだよ・・これ。」

「すげーな。」

(涼の中に込み上げた怒りは、一瞬で消えてしまった。)

(握りつぶす事ができないくらいに、その絵は美しかった。)

「紫苑は?」

(その新聞が欲しいと、囁き合っている女の子たちに
涼は振り向いた。)

「佐織たちと、職員室。

授賞式に行くんですって。」

「涼も見に行くの?」

(問いかけに、心は動いたが。 わざとムッとした顔をして
新聞を押し返した。)

「行くかよっ。

つまんねー。」

(少し不揃いに伸びた髪を、くしゃくしゃと掻きながら。
楽しげに話す女生徒に背を向けた。)

***

「ふむ。 いたって変わったところは無いわ。」

「毎日電話してくるでないっ!」

(太陽が照る校庭で。 小さな通信機に向かい、怒って答えた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ