HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter75 『風見通信』 75-15


***

「いいのよ。」

ピッ

「ただ居るだけで良いなら。

もっと気が楽だったでしょうに・・。」

「ふぅっ。」

(研究室の高い天井を見上げた後、
彩は深いため息を付き、足元を見つめた。)

『夏樹君の力が強まれば。

闇も強まるのね。』

『どうして夏樹君の力で。』

(顔を上げ、二重ガラスに封鎖された無菌室を見つめた。)

「いいえ。

惹きつけられているのは、闇ではなく。

あなたたちなのかしら?」

(彩は円形状のガラス張りの無菌室の中に。 七色の光を放ちながら、
敷き詰められている時の欠片に向かい。 語りかけた。)

「欠片に眠るのは、彼と同じ癒しの力? それとも、

それ以上のものを与えてくれる・・。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ