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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter75 『風見通信』 75-8
役立てる時に。 使えなくなるのではないかと。」
「少し心配になったりいたします。」
(菖蒲の言葉に、夏樹は少し驚き。
瞬いた後、笑った。)
「あはは。
菖蒲。 僕は、出来るなら使わなくて済めばと思っているから。
そんなに苦じゃないんだけど。」
「そうだな。
何かあったら、正直助けに行きたいと思ってる。」
(夏樹は苦笑した。)
「それに。
菖蒲。 こうして、力を出せない時もあるし。
上手く出ない時もあるんだけど。」
(その言葉に今度は菖蒲が驚いた。
普段の夏樹の戦闘を見ていて、とてもそうは思えなかった。)
「止まっていても。
中から自然と湧いてくるものだから。
消えてしまうことは、無いよ。」
(そういって揺れる、深い紺色の瞳は。 そのことが、むしろ。
喜んで良い事かどうか、確信が持てない様だった。)
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