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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-1


「わ〜っ♪

おっきな美術館〜v」

「ねぇ、菖蒲くん。」

「見て。 たくさん人来てるねっ。」

(千波は、背伸びしながら広い階段を上った先に見える、大きな四角い建物を見上げた。)

(大きな銀杏並木の先にある、その場所は。 市内の人々の憩いの場所でもあった。
緑の木々の間から、射し込む日差しに。 千波は額に手をあて。)

(建物の側面、道路に面して太陽を映す、四角い窓ガラスの向こうをよく見ようと。
可愛らしい靴で爪先立った。)

「は・・、はい。

あの。 あまり大きな声を出されますと、

周りの方に。」

(相変わらず整った艶やかな燕尾服に身を包み。 菖蒲は少し戸惑いながら、
白手袋の両手で小さく、抑える様身振りした。)

「良いからっ、菖蒲くん

早くv 」

「誠司さんが特別に教えてくれたのよ〜v

夏樹が行けないぶん。 じっくり見なくちゃ。」

「あっ! あっちじゃない?」

(入口付近に設置された。 案内パンフレットを見つけ、広げながら。



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