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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-2


千波は勢い良く。 前方の正面ゲートを指さした。)

「美術館に来るなんて、久しぶりv

もう、家事でそんな余裕もないんだものっ。」

菖蒲くんは?」

「え・・。 そうですね、

久しく訪れません。」

(何より、このところ夏樹が外出を禁じられていたので。
街中に出た事も久しぶりだった。)

(眩い日差しの、賑やかな街頭に立つのが、自分でなければと。
snow dropに残した夏樹のことが気に掛かった。)

「あっv 開いたみたいよ。

式が終わったのかな? 行こっ♪」

(千波は言うと同時に、パンフレットを菖蒲に押し付け。
美術館の入り口ゲートに向かい走り出した。)

(授賞式典の後、絵画は一般公開されることになっていた。)

「千波様っ・・!」

「ん・・。」

(菖蒲はパンフレットを見つめ、瞬いた。
表紙には、絵画の一部分が切り取り写され。 青い流れる色彩の様に、
菖蒲には見えた。)

『風見美術展、特別賞。 春日紫苑。』



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