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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-11


「くっくっ。 理恵、その辺にしておけ。」

「では・・以後。」

「お見知りおきを。」

(そう言って。 顔を上げた善に、艶は冷たい視線を投げた。)

「知らぬわっ。」

(怒った艶に、善はふいに手を掲げた。)

「赤が・・。 似合いますね・・?」

『・・?』

(頭上の赤いリボンに善は手を伸ばし、艶は思わず目を閉じ身を引いた。)

ぎゅっ

「・・・ん?」

(だが、艶に触れたのは。 覚えのある感触だった。)

(善が触れられぬ様。 艶の背中から、ふわりと誰かが、
小さな艶を抱き留め、ガードした。)

『・・・!///』

「白・・! 何しておるっ。」

(だらりと白の長い両腕が、包み。 まるで力が抜けた様に緩やかに背を丸め、
白は小さな艶に微笑んだ。)

「艶ちゃんの〜・・ボディー・・ガード〜・・。」



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