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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-12


(気の抜けた様な白の声を間近に聞き。
艶はどっと、肩の力が抜けた。)

(今にも寝むそうな笑顔に、白く流れる様な柔らかな髪が白の頬を覆っている。)

「・・頼りにならぬわ。」

(だが善は、二人から距離を取った。)

「艶ちゃんは〜・・僕の〜・・、だから〜・・。 ダメ〜・・。」

(ふわふわと、流れる前髪の奥の瞳は。 眠そうに、見えたが。
閉じそうな瞳の奥が。 きらきらと揺れるのを、善は横目で見た。)

(立ち上がった白は、長身で背が高く。 真っ白な服の。 所々に、煌めく銀の装飾を、
善は目で追い。 長く伸びた左の足、腿の辺りに、FOT No.4と描かれているのを見た。)

「これは失礼しました。

では、また。」

「バイバイッ♪v」

(善は、冷たい視線を残し、深々と礼儀正しく。 二人に頭を下げた。
理恵は、小さく指先を揺らし。 可愛らしくウインクして、去って行く善の背中を
追いかけた。)

(二人を見送って、白はほっと、肩を撫でおろした。)

「・・艶ちゃん〜・・。

ずいぶん・・怖い人と〜・・、話してた〜・・ね〜・・。」

(白の言葉に、艶ははっと。 白に振り向いた。)



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