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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-14


(敵が訪れるかもしれないところに、千波を連れては行けない。)

「あれっ、今の。 数馬くんの声じゃなかった?」

(千波は気づき、会場の中央へ、振り返った。)

「千波様っ、ここは危険かと・・。 早く戻った方が。

千波様っ!」

(だが千波は、すでに場内に向けて、走り出した。)

「千波ちゃん、でしょ?」

(菖蒲に向かって、一瞬訂正しながら。 足取り軽く、千波は
会場に溢れる、人ごみの中に消えてしまった。)

「はっ・・。」

(追いかけようとした時。 今度は菖蒲が背後から呼びとめられた。)

「・・? 菖蒲さん?

来てくれたんですね。」

(側に立っていたのは受賞式を終え、控室から出て来た紫苑だった。)

「お嬢様。

ちょうど良かった。 お送り致しますので、

私と一緒に来てください。」

「え? ・・はい。 菖蒲さん、夏樹くんは?」



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