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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-5


[「それに、数馬くんが気にしている。

転校生たちが、そこに来ているの。」]

***

ザワザワッ

(人で賑わう美術館の広いロビーで、
艶は辺りを見渡した。)

(自由見学となった小学生たちが、手を繋いで通路を行き過ぎ。
壁面に飾られたいくつもの絵画の前で、時折立ち止り。 指さしては、微笑み合った。)

『どこじゃ・・?』

(小さな艶の黒い瞳が。 子供たちの姿を追う。)

「艶っ!」

(呼び止められ、艶は驚き、振り返った。)

『数馬っ・・///』

「あほう。 来るでないわっ・・。 ああ・・っ。」

タッタッ カチャッ カチャンッ

(カラフルなスニーカーにカラフルな半ズボン。 数馬は、制服を完全にアレンジし。
お気に入りの帽子を被って。 艶の側に駆け寄って来た。
帽子や制服に付いた、いくつものバッジが、賑やかに鳴る。)

「あっはっはっ! 艶姫っち〜。 そのかっこーにあうな〜っ!」

「かわいいじゃんっ!」



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