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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter76 『青い鼓動』 76-6


(数馬は、紺色のプリーツのワンピーススカートに身を包む艶の側で微笑んだ。)

「嬉しくないわっ。」

(艶は少し照れて怒りながら。 数馬の後ろから追いかけてくる女の子に振り返った。
艶やかなストレートの黒髪が、艶の肩に揺れ、赤いリボンがふわりと揺れる。
黒い瞳が、警戒し。 女の子を見つめた。)

タッ

(蒲公英は数馬の側に走り寄りながら。 そんな艶の、不思議な美しさに瞬きした。)

「数馬くんっ。

・・、おともだち?」

(親しげな二人の様子に。 蒲公英はためらいがちに、数馬の制服の袖を引いた。)

「おう! こいつはたんぽぽ、艶姫っちだぜ。」

(数馬はニヤリと、艶を親指で指さし。 蒲公英に意味ありげに視線を送った。)

「・・えんちゃんおひめさま?」

(大きな茶色の瞳が期待に瞬きした。)

「ふむ。 なるほど、こやつがお主の“Friend”か。」

「良いか。 偵察がバレぬ様。 大人しくしておれよ。」

(蒲公英の制服の胸元に留められた、小さな赤い片羽根のピンバッジを見つめ、
艶は小さな子に諭す様に、そっと囁いた。)

(ピンバッジには、Friendの文字が刻まれている。)

「うん! えんひめちゃんもっ! エフオーてぃなんだねっ。 がんばってね!」



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