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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter76 『青い鼓動』 76-7
(蒲公英は静かな美術館に響き渡るほど、元気な声で、艶に手を振りながら。
数馬の背中をひっぱり、艶のもとから引き離した。)
『!』
「わっ! こらっ、ちびっ! はなせ〜っ。」
「数馬くんっ! てーさつのじゃましちゃダメだって。
行くよ〜っ。」
(艶は唖然とした後、がっくりと肩を落とした。)
「わかっとらん・・。;」
トットッ
(蒲公英は、じっくりと見せようと。 入口付近の絵画の場所まで、数馬を引き戻した。
背中を見送り、艶は再び。 場内に視線を走らせた。)
ザワザワッ・・
(場内の奥、中央の開かれた場所に。 人だかりが出来ていた。)
(1枚の絵画の周りに、多くの人が集まっている。 その中に、
一人の少年が、絵画を見上げて立っていた。)
(周りに居た子供たちも、絵画を見ているに違いなかったが。 なぜか艶には、
子供たちが、その少年に惹きつけられて。 取り囲んでいる様に見えた。)
(ガラスの天窓から射し込む、日差しが。 偶然にも、少年の頭上を照らし。
滑らかに流れる黒髪を煌めかせている。)
「・・居た。」
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