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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter76 『青い鼓動』 76-8
(艶の黒い大きな瞳が、少年の姿を捉えた。)
「何じゃ・・。 この気配は・・。」
(輪の中心に居る少年は、穏やかに微笑んでいた。
だが、近づく毎に漂う気配は。 まるで無理に、少年の中に。
その力を留めているかのように。)
(静かに躍動している。)
『兄上が、式神に力を宿した時の様じゃ・・。』
『夏樹が・・、人を惹きつけるのにも。』
「どこか似ておる・・。」
(すぐ側へ近寄り、艶は耳を傾けた。
少年は、自分を取り囲む人々に、語りかけていた。)
「絵が・・心まで描き出すというのは、
本当ですね。」
「こんなにも深い青。」
「僕は、ただ一つしか知らない。」
(風見小学校の紺色の制服に身を包む少年は、数馬と比べ遥かに背が高く、
どこか大人びていた。 少年の黒い瞳は見開き。
強い眼光は、驚くほど艶やかに、まるで水を映した様に輝いている。)
「それは、夜空のこと? 善♪」
(小さな少女が、人々の輪の中心。 善の隣に歩み出た。)
(二人の顔立ちは、可愛らしくどこか似ていたが。 不思議と大人び。
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