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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter77 『残像』 77-13


静かに目を閉じ。 恐怖を消そうと、胸に手を当てた。)

(夏樹は気遣わしげに、紫苑を見た。)

『今でも、怖い思いが、彼女を悩ませているんだ。』

『時々、思う事がある・・。』

『彼女の記憶を、消さないでほしいと頼んだのは・・。』

『僕のためだったんじゃないのか・・?』

『彼女の記憶を守るためじゃない。』

『FOTのことは誰も知らない。』

『僕は、知ってほしかっただけじゃないだろうか・・?』

『ただ、どうしたら良いのか。 あの時、他に思いつかなかった。』

(紫苑は夏樹を見た。)

「他に思いつかなくて。」

「機密に触れるなんて、考えもつかなくて・・。」

「FOTのみんなに迷惑かけちゃった・・。

ごめんね。」

(紫苑は、申し訳なさそうに。 夏樹に頭を下げた。)

(夏樹は驚き、紫苑を見た。)

「明日には、撤去されるかもしれないって。 静乃先生が言ってたから。」



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