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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter77 『残像』 77-15


***

(どこからか、声が聞こえた気がする。)

[見たことのない世界か・・。]

[僕が、見せてあげますよ。]

[きっと・・美しい・・。]

[この世界は・・、あの国と共に。 滅びるべきだ・・。]

[なぁ・・。 お前が、そう選んだのだ。]

[そうだろう・・ルイ?]

(夏樹の耳元に、冷やかな少年の声が届く。)

(風見ヶ丘小学校の制服に身を包む。 黒髪の小さな少年が、
ちょうど夏樹が立っているのと、同じ場所に。 立っているのを夏樹は見た。)

(恐ろしいその残像は、輝く光を放つ絵画の前で、左手をかざした。)

[《闇の力を秘めし鍵》《解き放て》《氷の刃》]

キンッ

ゴワッ・・

(左手に浮かび上がる青紫の光が、キラキラと火花を散らし、魔法陣を描き出した。)

[・・消えろ。]

***



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