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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter77 『残像』 77-16


「ん・・っ。」

(夏樹は、まるでその場に居るかのような、残像の放つ眩しい攻撃に。 目を細めた。)

***

バリバリバリッ

(同時に、魔法陣から、みるみる巨大な氷が噴き出し。
大きな刃となって、襲い掛かり、絵画を打ち砕いた。)

(二人が訪れる数時間前の出来事を。 夏樹は止める事が出来なかった。)

***

(瞬きをする間に、残像は消えていた。)

(きらきらと光る、青紫の光の粒が。 夏樹の目の奥に焼き付いた。)

「どうして謝るの。」

(夏樹は、静かに微笑み。 紫苑を見た。)

「まさか、僕を描いてくれているなんて・・思わなかった。」

(紫苑は、夏樹の側で泣いていた。)

「・・っ、ひっく・・、・・っ。」

トッ

(夏樹は、側に寄り。 巨大な亀裂が入り、真っ二つに割れたキャンバスを間近に
見つめた。)

「それで、千波ちゃんが聞いたんだ。 僕の写真があるかって。」



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