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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter77 『残像』 77-2
サワワッ
(不思議な予感を感じながら、白い指先がキーボードに触れた。)
ピコンッ
「!」
「彩さんからだ。」
(画面の上で、展開された彩からの正式な書類を、
夏樹は画面に食い入る様に見つめた。)
(ピタッと画面に張り付いてしまった夏樹を、菖蒲は上から、
気遣わしげに見た。)
「夏樹様・・?」
(ゆっくりと顔を上げ、菖蒲に振り向く。)
「・・解除された。」
「え?」
(急なことだったので、夏樹は喜ぶことも忘れてしまった。
代わりに菖蒲が満面の笑みを浮かべた。)
「良かったですね! 夏樹様。」
(だがこれといって体調が変わった様にも実感が持てず、夏樹はしっくりこなかった。
状況が変わったことに慣れるまで、数秒立ち止まった後、
夏樹は大きく背伸びした。)
「ん・・。 そうだな。 少し、外出てくる。」
(上着を羽織り、さっそく玄関に向かった。 考えてみれば、数週間ぶりに出れるのだ。)
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