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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter77 『残像』 77-6
「そうだな。」
「お車をお出ししますね。」
(菖蒲は、白手袋を締め直し、夏樹に微笑んだ。)
(夏樹は、頷き。 自分の前を下って行く。 菖蒲の後ろ姿を見て、
頭上の星空に。 視線を移した。)
「んん。 明日も晴れそうだな。」
***
バタンッ
ガチャッ・・
(白い大きなリムジンが、オレンジ色に街灯の灯る。 銀杏並木の続く、
風見通りに。 止まった。)
(まるで、高級レストランのディナーに訪れるセレブを迎える様に。
しなやかな身の熟しで、黒く艶やかな燕尾服姿の菖蒲が、紫苑の為にドアを開けた。)
「行ってらっしゃいませ。
お嬢様。 夏樹様。」
「夏樹くんっ、こっち。 こっち。」
(紫苑は嬉しくてたまらず、美術館の広い入口を目指し、
先に駆けだし、まるで小さくジャンプするかの様に、可愛らしい仕草で。
石畳の通路を、先に進んだ。)
(正面ゲートへと続く。 外灯の一つ一つには、青い旗が靡き。 2人のために、
明るく灯る灯りが。 丸くオレンジ色に照らし出し。)
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