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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter77 『残像』 77-7


(見上げる夏樹の目に、頭上に広がるのと同じ星空が。
足元まで、降り注いできているかの様に美しく映っていた。)

「ん。」

「初めて来たけど、綺麗なところだな。」

「閉館している様だけど・・、誠司さんが、わざわざ頼んで開けてくれたのか?」

「まだ帰ってなかったから、仕事中だったかもしれない。」

(紫苑の父で、風見市市長の誠司が、紫苑に頼まれ。 無理を聞いてくれたに
違いなかった。)

トットッ

「夏樹くん?」

(正面ゲートで、待っていた紫苑に追いつき。 隣に並びながら、
夏樹は笑った。)

「くすっ。 なんか、忍び込んでいるみたいだね。」

「ふふっ/// そうだね。」

(紫苑は、笑い。 隣に立つ夏樹を見上げ、肩をすくめた。)

キイッ・・

(紫苑の手と。 夏樹の白い手が、同時に扉を押し。
静かに美術館は開いた。)

シュウッ・・

コォォォォッ



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