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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter78 『青い鳥』 78-10
「・・はっ。」
(突然目覚めた夏樹は、息を飲み。 胸に手を当てた。 高く上った太陽の日差しに
微かに汗が流れ。 白いシャツの内側で、首からかけた銀の指輪が熱く熱を持っている。)
「ん・・。」
(僅かに身体を起こすと、すぐ傍に、小さな可愛らしいシートの上に座り。
スケッチブックを片手に、えんぴつを静かに走らせている紫苑がいた。)
(紫苑は、側に咲く、小さな花を描いていた。)
「あ、夏樹くん。 大丈夫? 疲れちゃった?」
「昨日夜更かししてたでしょう?」
(背中側に横になっていた夏樹に、紫苑は振り向き。 涼しい木陰の下で、
微笑んだ。)
「ふぅ・・。」
「くっくっ、大丈夫。」
(一瞬痛んだ胸に、呼吸を整え。 夏樹は微笑んだ。)
「連れて来たんだ、それ。」
(白い指先が、紫苑の座るスカートの先、芝生の上に、ちょこんと座る。
小さな黄色いひよこを指さした。)
「ピヨッ ピヨッ」
(ひよこは夏樹に向かって鳴き。 紫苑は、道具箱から、筆や絵具を取り出し
今度は夏樹の方へ向かい。 座り直した。)
「うん。 お散歩させなくちゃ。」
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