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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter78 『青い鳥』 78-12


「きゃぁぁっ/// ぴよちゃんっ!;」

「ピヨピヨッ ピヨッ」

(小さな黄色いひよこは。 青い絵の具の上を滑り、水入れを派手にこぼし。
スケッチブックと、シートの上に
小さな青い足跡を無数につけながら。)

(黄色かったふかふかの羽毛を、青く染め。
ぷるぷる羽根を揺らして、青い雫を辺りに飛ばした。)

「ぷっ、ははは。」

(夏樹は笑い。 白い指先で、紫苑がつかまえられなかった小さなひよこを。
つまみあげた。)

「しー。 静かに。」

(ひよこは観念した。)

「ピヨッ。」

『こんな時がずっと続けば良いのにって、思ってた。』

『どうして僕がここへ来たのか、忘れてはいけないのに・・。』

『昨日起こった、恐ろしい出来事でさえ。

乗り越えてしまえるんだ。』

(視線が合った二人は、昨日の出来事を思い返していた。)

(紫苑はそっと、自身を励ます様に。 心の中で囁いた。)

『・・悲しい出来事もね。 意味があることだから。』



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