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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter78 『青い鳥』 78-14


夏樹に届けた。)

「ピヨッ ピヨッ・・」

[「早く帰って来てね。」]

(夏樹は、紫苑の方へ振り返る時。
そっと、小さなひよこに。 伝言を吹き込んだ。)

「・・・・。」

コォォォーッ

ゴワッ・・

(立ち上がった夏樹の、目の前に。 一瞬で、
異空間の扉が開いた。 大きく開いた、ブラックホールの様な異空間の穴は、
黒と紫の気流を巻き上げ、流れる風と共に。 夏樹の身体を掴み取り。 包み込んだ。)

(吹き抜ける風が、深い紺色の髪を巻き上げる。)

コォォォーッ

「行って来る。」

(空間の扉に吸い込まれる時、紫苑に振り返りながら、
伝言を乗せた小さなひよこをそっと手渡した。)

『こんな時が、大切な瞬間なのかもしれない・・。』

(紫苑はひよこを受け取った。 小さなひよこは青い色に染まっていた。)

「ピヨッ ピヨッ・・」

[「すぐ帰る。」]



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