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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter78 『青い鳥』 78-5


「夏樹くんっ、今日晴れたら。 風の丘草原に行こうって言ってたでしょう?」

「数馬くんと蒲公英も行きたいって。 もうすぐ来るから・・。」

(夏樹が気づき、起きた。)

「・・あ、ああ。 紫苑さんっ///; おはよう。 そうだった・・。」

(目を開けた途端、目の前にいた紫苑が。 すっかり、出かける支度を整え。
可愛らしいスカートで、髪も整い飾っている様子を見て。 寝起きでぼんやりしている
自分に、夏樹はどぎまぎした。)

「数馬も来るんだ? あれ、菖蒲は?」

(このところ、一緒に住み出した菖蒲が、紫苑の代わりに起こしに来てくれていたので、
夏樹は気を抜いていた。 その菖蒲の姿が見えず。 部屋を見渡した。)

「今朝早く。 静乃先生に呼ばれたからって。 出かけて行ったよ?」

「今日は良い天気で、夏樹くんがお休みだからって。 安心して。」

(紫苑は微笑み、ベッドのそばを立つと。 窓際に行き、カーテンを開いた。)

「・・デートか。 主人を放っておいて、どういう執事なんだ?」

「いや、待って。 じゃあ、誰が運転して・・。」

(夏樹は青ざめ、紫苑が微笑んだ。)

「パパだよ。 ママも行きたいって。」

(夏樹は絶句した。)

「・・。 そんな一家団らんに邪魔できないよ。」



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