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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter78 『青い鳥』 78-7


「きゃ〜っ/// たんぽぽも遊ぶ〜!」

(蒲公英も、数馬の後を追いかけ、ぴょんぴょん走り出した。)

「こら〜っ、ころばないようにね。」

(桜はランチボックスを取り出しながら、遠く駆けだした2人に声をかけた。)

「綺麗なところですね。」

(夏樹は、目の前の景色を心に留めたくて。 深い紺色の瞳を大きく開き、
山から吹き込み、草原を行き。 海へと流れる風に、身をゆだね、瞬きした。)

「空気が気持ち良い。」

(夏樹は、隣に立つ。 背の高い誠司に振り向き、見上げた。)

「来て良かった?」

(誠司は、穏やかに。 優しげな温かい焦げ茶色の瞳で、微笑んだ。)

「はい。」

(夏樹は頷いた。)

「この辺で良いかしら?」

「そうだね。」

(桜はシートを広げ、誠司と腰かけた。)

「向こう行ってみる?」

「うん!」

(何やらスケッチブックや道具箱を車から下ろして来た紫苑に、夏樹は声をかけた。)



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