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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter79 『太陽と月(太陽)』 79-11


【ゴォォォォーッ!】

(はがれた天上から、唸り声を上げる生き物の、巨大な口が見え。)

(口からこぼれた、黒い雫が。 1滴、真下に寝ている、ソラの頬に。
落ちた。)

「冷たい・・。」

(ソラは、手で頬に付いた雫を拭った。 黒い液体は、ドロリとして、銀色に光る。)

バキバキバキバキ!

(生き物は、完全に屋根をはがし。 真上から、巨大な四肢を、壁にはわせ。
ソラを覗き込んだ。)

バラララッ

(飛び散る瓦礫が、ソラのベッドの上に降り注ぎ。 一つの木片が、
ソラの頬を切った。)

「夢じゃないな、これは。」

(巨大な生き物が、見下ろしたが。 ソラは微動だにせず、横たわっていた。
自分の中で、出た答えに納得したソラは。 はじめて身体を起こし、
ベッドの上に立った。)

「よし。」

「てめぇ・・。 良い度胸じゃねぇか?」

「俺の家を壊しやがって!」

「どうしてくれんだよ?」



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