HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-15


ママが作ったのに、好みが似てるって言われるの。」

「だから、千波ちゃんのお料理って、夏樹くん家の味なのかなって・・///」

(言われて夏樹は振り返り、少し考える風な様子をしてから。
曖昧な表情で、答えた。)

「・・どうかな? 分らない。」

(紫苑は、夏樹の表情に気づかず。 美味しい料理の満腹感と、幸福感に。
幸せに浸り、夜の庭の空気を胸に吸い込んだ。)

「みんなで居ると、元気になれるから。」

(紫苑はそっと、笑顔で夏樹を見た。)

「元気でた? もっと、クラスのみんなとも一緒にいられると良いね。」

(ぱっと赤らむ頬に。 オレンジの外灯に光る、幾筋かの明るいベージュ色の髪が揺れ。
柔らかに微笑んだ紫苑の笑顔に。 夏樹は瞬いた。)

『・・・。』

「もしかして、一緒に食べようって言ったの、紫苑さん?」

「///? ダメだった・・?;」

(聞いて夏樹は、笑った。)

「くっくっ。」

『僕が励まされてどうする。』

(ダイニングで見たとき、確かに。 紫苑の表情が陰った様に思えた。
けれど、向き合っている今。 紫苑の表情は晴れやかだった。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ