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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-16


「心配?」

「闇のこと。」

「・・まだ止まらない。 ますます強くなってる。」

(夏樹は、紫苑に向き合い、紺色の瞳を細めた。)

(紫苑は、小さく頷いた。)

「手掛かりになると良いんだけどな。」

(ふと思い出し、夏樹はポケットから、小さな紙片を取り出した。)

パサッ

(月明かりにかざしてみる。 ゆっくりと流れる、夜空の雲が動き。
僅かに書かれた文字を、照らしたが。 透ける紙の上に、
多くの情報は無かった。)

(紫苑は興味をそそり、夏樹の側へ寄り。 下から、夏樹のかざす紙片を見上げた。)

「・・? 樹・・。」

「何て書いてあるの?」

(問いかけに、夏樹は答えた。)

「たぶん誰かのIDだと思う。

能力者のデータが載っていたんだ。」

(紫苑はぴんときた。)

「『夏樹くん』じゃなくて?」



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