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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-17


(聞いて夏樹は瞬いた。)

「僕じゃない。」

「僕のは、これだから。」

(胸ポケットから、小さなFOT IDカードを、取り出した。)

(そこには、小さな顔写真とともに、Fragment of Time No.3 Ability to Windと
刻まれていた。)

「闇と同じ種類の力を持つ能力者が、

闇を引き起こしたり、動かしている可能性があるって、

静乃さんが言っていた。 見つけないと。」

(紫苑には、闇に対する不安な気持ちがあった。 けれど、
それよりも。 夏樹が初めて。 紫苑にFOTの活動のことを、気に掛かっていることを
話してくれたので。)

(そのことが不思議と嬉しく。 近づいた距離に、紫苑の頬は赤らんだ。)

「・・・うん。」

(少しでも、知りたいと願っていた。 自分とまったく違う。 もう一つの環境に、
身を置いている夏樹のことを。 普通の、高校生活を送っている紫苑とは、
まったく違う世界に。 夏樹が心をかけ、力を尽くしているものがある。)

(二人は、肩を並べ、庭の木々の向こうに見える。 街並みを見た。)

「大丈夫。 きっと、大丈夫だよ。」

(紫苑は願い、囁いた。)

***



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