HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-18


「二人、何話してるのかしら?」

(カウンターキッチンの向こうから。 ガラスのお皿を片手に、
千波が興味深そうに全面ガラス張りの窓の向こうを覗き込んだ。)

「ね、菖蒲くん。」

(振られて菖蒲は、窓の外を見た。 夜の帳が二人を包み。
寄り添う二人のシルエットが見えたが、表情は見えない。 ただ、並ぶ背中が
距離を縮めた気がして。 菖蒲は視線を戻し、手元のカップを拭いた。)

「・・さぁ?」

「ロマンチックな話かしら?v」

(千波が、さらに興味深く明るい茶色の瞳を輝かせたので。
菖蒲は咳払いし、肩をすくめた。)

「んん・・、どうでしょうか?」

「もっと、積極的にいかないとねv」

「ねv」

(千波は食器を片すのを忘れ、頬杖をついて。 本格的に菖蒲の顔を覗き込み、
同意を求めたので。 菖蒲は笑いだした。)

「くすくすっ。 私にはなんとも・・。」

「聖も言ってたけどv 静乃ちゃんだって、けっこう

寂しがってるんだよ?」

(話の矛先が変わってきて、菖蒲は手を止めた。)

「/// 私のことはどうぞお構いなく。」



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