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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter81 『Ability to・・』 81-2
「腹がへっては軍はできぬ。よv どれ?」
(千波は言いながら、自分の手を夏樹の額にあて、体温を測った。)
「冷た〜いっ。」
「くっくっくっ。」
(自分と良く似た顔立ちの、明るい茶色の瞳が、間近で見つめるのを
黙って見ていた夏樹が。 堪えられずに笑った。)
「久しぶりに冷たいぞチェックされた。」
(深い紺色の瞳と、明るい茶色の瞳が、触れ合うほどの至近距離で。
お互いの姿を映し出し、瞳の奥に笑顔を映した。)
(夏樹は僅かに背が高いものの、顔立ちも良く似。 映した様だった。)
(ただ、夏樹の肌は、蒼白なほど白く。 触れると冷やりとし。 艶やかに光る、
少しくせづいた深い紺色の髪が鮮やかに映え。 目を細めて笑う、
夜空の様に深い紺色の瞳は。 以前よりも色濃く。 奥に宿した力が、
炎の様にゆらめくのを。 力を持たない千波でさえ、感じられるほどだった。)
「大丈夫?」
(千波は、少し心配した様子で。 わずかに首をかしげ、夏樹を覗き込んだ。)
「・・。 大丈夫だよ。」
(何と聞いても、そう答えることは分っていた。 千波はわずかに肩をすくめ。)
(自分の中で、何かが変化しはじめていることを、千波には。 説明しなくとも、
わかっていることを。 夏樹も知っていた。)
「煮込みハンバーグじゃないか?」
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