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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-20


「ああっ! 菖蒲く〜んっ!」

「わかってないじゃん。 んもうっv 夜間活動時間までv あと1時間だけ

だからねっ。」

(廊下を追いかけ、遠く玄関に向かう後ろ姿を追った。 黒い燕尾服の背中は、
先程までと違う緊張感に。 引き締まって見え、玄関ドアが閉まる手前で。
僅かに振り向き。 千波の呼びかけに、会釈した。)

「ふぅ・・。」

(さらりと流れる、菖蒲の後ろ髪が、ドアの向こうに消えるのを見て。
千波はため息をついた。)

(玄関に残され、僅かの間。 考えにふける。
急に静かになった、家の中を。 オレンジの明かりが、千波の頭上高く
照らし出していた。)

キイッ

カチャンッ

(入れ替えに、庭から紫苑が戻り。 玄関で見送っていた千波を見た。)

「紫苑ちゃん、能力者の彼をもつと。 苦労がたえないわよ。」

(紫苑はドキッとし、瞬いた。)

「ああ〜っv ストレスたまるな〜♪v もうっ!v」

「こんど女子会しない?v 夏樹の歓迎会なんてやめてv」

「千波ちゃん・・///」

(紫苑は微笑んだ。)



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