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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-23


「何か、言っていた?」

(言葉に、どこか緊張感を感じ。 菖蒲は一瞬躊躇った。)

(ミラー越しに後部座席を見ると、夏樹の表情は硬かった。)

「・・国は、私たちの味方では無いと。 警告していらっしゃいました。」

(聞いて夏樹は、肩の力を抜いた。)

「そうか。 ずいぶんしばらく会ってなかったけど。」

「本部に来ていたなら。 国側の大臣の誰かにでも、雇われているんだろうな。」

「・・、僕は忘れたいのに。 忘れたころになると、

時々、噂を聞いて。 思い出させにやって来る。」

(菖蒲は聞いて、ミラー越しに語りかけた。)

「お知り合いですか?」

「昔ね。」

「最後に会ったのは、菖蒲が来る少し前だ。」

「たまに、FOTから抜けろと。 僕に警告してくる。」

(聞いて菖蒲は瞬いた。)

「・・! そんな方が居るんですか?」

「よく聖様に注意されませんね・・?」

(悪くすれば、とっくに異空間の狭間に、消されているのではないかと思われた。)



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