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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-4


「どうしても、僕に春日さん一家とふれあって欲しいみたいだな。」

「全員が、FOT公認の“Friend”だから、かまわないことだけど・・。」

「僕は心配なのに。」

「『一家団らん』を、味わわせたいって思ってるんだ。」

『春日さん家も、困るだろうに・・。』

(夏樹は苦笑しながら、千波がまとめてくれた、机の上の資料を。
ひとまとめに。 置いてある書類の山の上に戻した。)

パサッ・・

「ん?」

(白い両手が抱えた、資料の隙間から。
小さな、紙片が、床の上に。 ひらひらと舞い降りた。)

(風に乗り、明るい茶色のフローリングの上に。 紙片が舞う様子を。
夏樹は視線で追うと。 床に落ち、静かに止まった。 1枚の小さな紙切れを
拾い上げた。)

(白い指先が拾い上げる紙片は、
手のひらに乗るほどの、一欠片部分しかなく。 周りは、黒く焼け焦げていた。)

(まるで、燃え落ちてしまった様に。)

「何だろう・・? これも、データの一部か?」

「ぜんぜん、見えないな。」

(夏樹は片目を細め、角度を変え。 部屋の天井の明かりに、紙片を透かしてみた。)



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