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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter81 『Ability to・・』 81-8


(心地良い木の香りに包まれる、2階までの吹き抜けのダイニングは。 廊下の天井からも
下がる、温かなオレンジ色の明かりに照らされ。)

(廊下を横切る夏樹の深い紺色の髪を、明るく染めた。)

「あっ! 夏樹v やっと来た〜♪」

(カウンターキッチンの向こうから、千波が笑顔で覗いた。)

「夏樹くんっ、こっちこっち。」

(紫苑が、中央に置かれた、大きなテーブルの手前に腰かけ。
こちらを振り向き、開いている隣の席を、手で示した。)

キイッ カタンッ

「こんばんは。」

(夏樹は、少々躊躇いがちに。 背筋をのばして、席に着いた。)

「こんばんは、お邪魔してしまって、すまないね。 蒲公英さんも、

千波さんのお料理のファンだから。」

(めずらしく、仕事から早く帰った誠司が、夏樹の前に座り。
落ち着く、焦げ茶色の温かな瞳で。 見つめた。)

(2階まで、吹き抜けの天井は、温かなオレンジの明かりに包まれ。 大きなテーブルの
上に並ぶ、湯気を立てる美味しそうなおかずから良い香りがした。)

「うん! たんぽぽっ、ちなみちゃん大好き〜っ!///」

(蒲公英は、大きなかわいらしいスプーンを片手に、今にも食べる気満々だ。)

(外はすっかり暗くなり、向かい側の、全面大きな窓ガラスの向こうは、庭の木々と、



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