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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter81 『Ability to・・』 81-9
夜空が見えた。)
「頂きましょう、冷めないうちに。」
(誠司の隣で、桜も幸せそうに、笑顔を向けた。)
「はい。」
(こんな風に、席に着くのが、なんだか躊躇われると思ったが、
それでも、この光景を見ると。 心がほぐれた。)
「学校でも、ちゃんと食べてますか?」
(誠司は、向かいに座る夏樹を見て、気遣わしげに。 声をかけた。)
「少しやせたんじゃない?」
(言われて夏樹は瞬いた。 桜も夏樹の様子を良く見た。 誠司が真正面に
座っているので、やや緊張した面持ちで。 座る様子は微笑ましかったが。
相変わらずやや小柄で、腕や、体幹が細く。 透き通る白い肌に、くせづく深い
紺色の前髪の奥の瞳は、大きく。 顎が少し、細くなった様に見えた。)
「あんまり時間ないもんね? 夏樹くん・・。」
「お昼食べてない・・?」
(心配そうに覗き込む紫苑に。 慌てて手を振った。)
「そ、そんなこともないけど。
その時は、正直食欲出ないから・・。」
(紫苑は、間近で振り向いた。 深く、大きな紺色の瞳に。
思わず息を飲み、見つめた。)
『・・・っ。』
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