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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter83 『赤い方と青い方、赤いの』 83-14
「顔見に来たのさー、俺は、生かして帰してもらえっか?」
(夏樹の冷たい視線を見て、狐次郎が笑った。)
「欠片を狙ってなんかいねーさ。 俺も、情報源もなぁ。」
「何?」
(気になる言葉に、夏樹が向き直った。)
「気〜つけろ夏樹。 もっとデカイもんを狙っていやがる。」
(興味を引いたかと、狐次郎は期待したが、反応は悪かった。)
「言うつもりがないなら、言うなよ。 今、それどころじゃない。」
(狐次郎は、ニヤリと笑った。)
「つれないね〜。」
(夏樹は、車内にこもってしまった店員の方へ、意識を集中させながら、
ポケットから、小さな紙切れを取り出し。 まだ態度悪くカウンターに寝そべり、
自分の前を、遮ったままの狐次郎に。 手渡した。)
「・・これを。」
「調べてくれないか。」
「もし分ったら、お前に会ってもいい。」
(怪しげに光る、狐次郎の目が、満足そうに揺れた。)
「イイね〜。 お前らしいや〜。」
(狐次郎が、冷やりとした夏樹の白い手から、紙切れを受け取った時だった。)
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