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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter83 『赤い方と青い方、赤いの』 83-17
「兄ちゃん。 こいつに会うのに俺はけっこう待った。
割り込みするなや・・。」
(狐次郎は、ソラに言ったあと、揺れる視線で夏樹を見た。)
「行け。」
ィィィィンッ・・
ドンッ!!
(ソラが瞬きする間に、目の前に。 まるで波紋の様に広がる、
空気の振動が。 ソラを、狐次郎から後方へ弾き飛ばした。)
「うわっ!」
(風圧に、人々が目を閉じた瞬間。 夏樹は、闇化がはじまった、
車内の店員を。 異空間に引き込み。 自身も姿を消した。)
「! ソラっ!」
(歩道へ、弾き飛ばされたソラへ、ミイが駆け寄る。
狐次郎は、あっという間に背を向け。 その姿を避ける、人波の中へ。 歩いて行った。)
「ソラっ、大丈夫っ!」
「・・っ、痛ててっ。」
(コンクリートの地面に、思い切り打った背中を、
ソラは起こした。)
「あいつ・・。」
(ソラは、人波の中に、消えてしまったであろう、夏樹の姿を目で追った。)
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