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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter83 『赤い方と青い方、赤いの』 83-6
(白い煙が、口元から揺れ。
目を引く男性の。 短い赤い髪の上へと、夜の空気の中に、拡散した。)
「ずいぶんと、能力者が増えたもんさー。
あいつが、移って来たからかねぇ。」
「逃げられねー運命さ〜。」
「ひっひっ。」
(男性は目を細め。 煙草を揉み消すと。 遠く、視線の先にある、
移動販売車に向けて。 ゆっくりと歩き出した。)
***
「どうっ? ソラ。」
「言った通り、似合うでしょ〜♪」
(華やかなディスプレイに、目がチカチカするほどの店内で。
自分が場違いじゃないかと思い、不機嫌そうに仁王立ちしながら。
ソラは、腕を組んで。 フィッティングルームからすっかり衣装チェンジして
出て来たピュアを。 わざと小首をかしげ、見た。)
「ふ〜ん。」
「どうですか? ソラさまっv」
(ソラは眩しいものを見るように、やや目を細め。 無表情を決め込もうとしたが。
ピュアが、小さなかわいらしい靴で、ちょこんと片方のつま先を着き。 今日入荷した
ばかりという、今流行りの服の。 かわいらしいスカートの裾を持ち、甘い声で
微笑んだところで。 挫折した。)
「・・; ヤベー、かわいい・・っ。」
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