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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter84 『三日月とソフトクリーム』 84-10


「これは、こえ〜・・、つか。 面白え〜。」

「おい。 待て。」

「って、聞こえてね〜のかっ;」

「待てよ、お前。 その勢いでこられたらっ、俺はどうしたら良いんだよっ。」

(ソラが待ったのポーズで手を上げたが、紺色の髪の少年は、
まったく聞いていなかった。)

(後方に横たわる、男性店員を守るためか。
そこにいるソラたちの見えない気配を感じ取り。 攻撃に転じた。)

ゴワッ!

「!」

(かかげた白い手から、湧き起こった強い風は、3人を弾き飛ばし、
後方の割れていた、ガラス壁の間から。 夜空の様な空間へ、3人は、
落下した。)

「///! きゃぁぁぁぁ〜っ!///」

「うっ・・!」

(ソラはミイの上着をつかみ。 羽根が生えていることも忘れ、
きりもみしながら、下降した。 身体を通りぬける、風の向こう。
ソラは、輝く水色の瞳で。 次第に、小さくなる上空の、先ほどまで居た
崩れかけたガラスの箱部屋を見上げた。)

(ガラスの破片が舞う、小さな箱部屋の端で、小柄な少年が。
落下していく自分たちを、見下ろしていた。)

『あいつ・・。 生きて帰れたら、ひとこと。 言ってやる・・。』



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