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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter84 『三日月とソフトクリーム』 84-9
(ソラは、前方から風圧を感じ、顔を上げた。)
(風は、次第に。 ピュアの起こす、風で出来た魔法の盾を揺らし。
クリーム色の魔法陣を振動させ、その場に立つソラと、床に伏せたままのミイを。
勢い良く、後方へ押し上げた。)
「うわっ!」
ゴワァァーッ!
(ソラは、一瞬。 ピュアの魔法が、失敗し、逆流しているのだと思った。
しかし、強くなる風に、半目を開けると。)
(紺色の髪の少年が、こちらに向かい、白い手を差し出している。
風は、そこから湧き起こり。 ピュアを魔法陣ごと、押し返した。)
「きゃあっ///」
(飛ばされたピュアは、ソラにぶつかり止まった。)
「お、おい。 どうなってんだよ?」
(消えてしまった魔法陣に、ピュアは慌てた。)
「ソラさまっ、あの方には。 ピュアたちが見えてないはずですっ///
《次元の翼》をつけているとっ、見えないとっ。 声も聞こえないとっ、
お師匠さまがっ///」
「・・って、ピュア。 完全に、こっち見てるじゃね〜かよっ!;」
(風は、一度途切れたが。 ソラは思わず、後ずさった。
深い、紺色の強い瞳が、完全にこちらを捉え。)
(かつ、どう考えても、友人に見せるのとは違う表情を浮かべ、
ゆっくりと、こちらに近づいて来ていた。)
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