HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter84 『三日月とソフトクリーム』 84-16
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トッ
カタンッ
(スニーカーの靴が、2階の玄関前に戻った。)
ピンポーン
(後ろから、背の高い人物が手をのばし、白手袋の手で。
ドアベルを鳴らす。)
「は〜い♪ おかえり〜。」
(ドアの向こうから、千波が出迎えた。)
「あっ! なにv お土産買って来てくれたの?」
「上がって、菖蒲くん。 紫苑ちゃんとお菓子食べてたんだけどね。」
「菖蒲くんの分、とってあるからv」
(千波は、笑顔でまくしたて、ちょこちょこと。 可愛らしく、菖蒲に手招きした。)
「ただいま。」
(夏樹は、穏やかな深い紺色の瞳で微笑み。
後ろに立つ菖蒲は、恐縮しながら。 嬉しそうにうなづいた。)
「只今、帰りました。 あの・・、頂いてよろしいのですか?」
「うん♪ ど〜ぞ〜v 夏樹のなに?」
(少しうつむきながら、スリッパに履き替える夏樹の。 深い、紺色の髪が揺れるのを
見ながら。 千波は、夏樹の手から、白い可愛らしい箱を受け取った。)
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