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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter84 『三日月とソフトクリーム』 84-5


「まったくそのことを思い出せねーし。

とりあえず、丸腰なんだけど。」

(鈍感だと言われるソラにさえ、今や完全に嫌な予感がしていた。
不穏な気配は、すぐそこまで漂い。)

(自分たちのほかに、誰もいないはずの。 無機質なその空間に。
遠く、生き物のいる気配がした。)

「う〜んv はいですっv 剣はミイさまがっもってらっしゃるはずですv」

「お前、持ってる?」

(ソラは、即座にミイに振り向いた。)

「(ぶんぶんっ)/// 持ってるわけっ! ないでしょ〜っ!///;」

(ミイは、近づいてくる恐ろしい気配に、すでに半泣きしていた。)

ゴゴゴゴッ・・!

「ヤバい・・。 来たぞ・・。」

「あいつっ・・!」

「とんでもないもん、連れてきてんなっ・・!」

(ソラは、ガラスの壁面に駆け寄り。 遠く。 真っ暗な夜空のような景色の奥から、
中空に浮かぶ、無数の四角い、ガラス箱の合間に。 巨大な黒いものがうごめきながら、
小さな人影とともに、過ぎるのを見た。)

(それは、巨大なガラスの箱を、通り過ぎるたびスピードを上げ。
またたく間に、目の前に来た。)



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