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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter85 『花弁』 85-3


「ソラは、《鍵》を見つけるじゃろう・・。」

(老婆の言葉に、扉の前に立つ女性の。 美しい金色の前髪が揺れ、
明るい水色の瞳が煌めいた。)

「ほんとうっ!

婆の占いには、そう出たのね?」

(サラは微笑み、金色の長い髪をたなびかせながら、
薄衣の様な、美しいドレスの裾を、両手で持ち上げ、
老婆の居る小さな室内へ、足を踏み入れた。)

「ほっほっ。

サラ殿。

元老院に注意された矢先。 ここへ足を踏み入れるは、

かしこくあるまい?」

「王宮に、わしのようなものをとどめるなと。

やつら、ぬかしおったわい。」

「ばぁは、すぐにでも、村の古巣に帰ろうかと思うたのじゃがのぅ。

ソラとかわいい孫のミイがおらんでは、

力を尽くさぬわけにはいかぬでな。」

(老婆は、しわだらけの温かい笑顔で、ニッと微笑んだ。)

「・・ありがとう。」



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