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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter85 『花弁』 85-4
(サラは水色の瞳で、微笑んだ。)
「大聖堂は、セナが、魔法の封印を施してくれているわ。」
「できるだけ、《魔女の力》を、他へ出さぬようにと・・。」
(老婆は困ったように微笑んだ。)
「それはもう、手遅れじゃ。」
「魔女は目的を果たした・・。」
「じゃが、《鍵》は、強固に守られておる。」
「そう簡単には、壊せまい・・。」
(小さな老婆の背丈に合わせ、サラはひざまずき、
美しいその半身を、老婆の見つめる水鉢の前へ、寄せた。)
「わたしの声も、ソラに届くかしら?」
(サラはそういうと、左手でそっと、金色の髪を押さえ、
透明に光る、水鉢の底へ、語りかけた。)
「ソラ・・。」
「しっかりなさい。」
「みんな、あなたを待っているのだから・・。」
ピチャン・・
(水面が、サラの声に揺らいだような気がして。
サラは瞬きした。)
「ソラに届いたみたい。」
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