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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-14


「次の時間始まるわよ。」

(スラリと背の高い女生徒が、丁度ドアから現れ。 さらさらと流れるストレートの
長い髪を揺らし、怪訝そうに首を傾げた。)

「お、副会長。

ちょうど良かった。」

「雨宮、いる?」

(聞いて、佐織は瞬きし。 ソラの顔を覗き込んだ。)

「なぁに? まさか、あんたまで。 顔見に来たとか、ファンでサインもらいに来たとか

じゃ、ないでしょうね。」

「くっくっ。 こっち。」

(言いながら、ソラは、後ろに隠れている小さなミイを指さした。)

「///ち、ちがうよっ/// わたしっ///」

「・・美空ちゃんか。 悪い事いわないわ。 やめときなさい。」

「あいつ見た目は良いけど。 身も心も冷たいやつよ。」

(佐織は、こそっと片手で口元を覆いながら。 冗談で、ワザと大げさに、
ミイに耳打ちしながら笑った。)

「ほとんど、クラスで誰とも話さないわ。 今日もまだ来てないし。

教室にいる時のが少ないよ。 何か用があるなら、紫苑に声かけなさい。」

「なんで?」



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