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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-19


「ソラさま、鈍感ですか?///」

「・・ん? はぁっ!? いきなりなんだよっ;」

(真剣に、やっと見つけた夏樹に向き合おうとしていたソラは、ピュアの言葉に
思わず拍子抜けして笑った。)

(夏樹は、ソラの問いかけに。 対峙を避けられないと察し、眉根を寄せ、
ため息をついた。)

「・・はぁ。」

「言っても、わからないんだな。」

(冷たく言い放つと、再び鞄をつかみ。 夏樹は、教室の外へ引き返した。)

「あ、おっおい!」

(慌てて追いかけようとして、ソラは紫苑に呼び止められた。)

「天野くんっ。」

「ん?」

(振り向くと、紫苑は、何か思いつめている様子だった。)

「ごめんねっ、違うの・・。」

「夏樹くんは、普段あんな感じじゃなくて・・。」

「優しいの。」

「だけど、とても、とても。 怖いものと向き合っているから・・。」

「いつも逃げずに、向き合っているから・・。」



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