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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-20


「だからっ・・。」

(夏樹の気配は、今しがた触れていた闇のせいか、闇の波動を浴び続けているせいか、
凍りつく様に。 夏樹の温かさを隠していた。)

(紫苑は、上手く説明できずにいたが。 夏樹がどこか無理をして、
わざとそんな風に振る舞っているんじゃないかと。 ソラにも感じられた。)

『なんで、紫苑が泣きそうになってんだよ。』

「幸せなやつだな〜あいつ。」

「え?」

「いんや。 なんでもねー。」

(ソラはニッと微笑んだ。)

トットッ

(廊下に出ると、ソラは夏樹の背中を追いかけた。)

(深い紺色の髪が揺れ、細い背中は、どこか凛として。 集中する気配に、
ソラも息をのんだ。)

コォォォォーッ

シュンッ・・

(瞬きをする間に、ソラは、夏樹に連れられ、異空間に引き込まれた。)

「ソラっ!///」

(廊下を追ったミイは、ソラの姿が消えたことに驚き。 名を呼んだ。)



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