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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-21


「大丈夫だよ。 夏樹くんは、天野くんと話したかっただけ。」

「待ってよう。」

(紫苑は少し寂しげに、穏やかに微笑んだ。)

「・・うん。」

(ミイは頷き。 赤茶色の瞳で、二人の居ない、廊下の先を見つめ続けた。)

***

「さぁ、どうぞ。

ここなら誰もいない。 好きにしていいよ。」

(暗く、闇に閉ざされた。 異空間の真ん中で、夏樹は。
ソラに鋭い視線を向けたまま。 ソラの正面に立ち、
両手を広げた。)

(夏樹の反応に、ソラの心は動き。 紫苑の顔が、脳裏に浮かんだ。)

「お前こそ、気づいた方がいいんじゃね〜か?」

「どれだけ、思われてるのか。」

「もう少し、大事にしろよ。」

「・・どういう意味だよ。」

「自分のことだよ。」

「誰かを守りたいなら。 お前のことも大事にするべきだ。」

「・・何言ってるの?」



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