HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-22


(ソラが、自分の力を知りたいと言って来たのに。 攻撃をしかけて来ないので、
夏樹は瞬いた。)

「ガキの頃、言われたんだよ。 え〜っと、誰に言われたんだっけな?」

「くっくっ、忘れたな。」

「お前、ちゃんと飯食ってる?」

(ソラは楽しげに笑い、夏樹に近づいた。)

「細いな〜、お前・・。 どこにあんな力がつまってんの?」

(ここまで聞いて、夏樹は肩の力を抜き、深い紺色の瞳が。 瞬きした。)

「・・本当に、話をしたいのか。」

「くっくっ、そう言っただろ。」

(水色の瞳は笑いかけ、気軽に夏樹の側の、異空間に創り出された。
校舎裏へと続く景色の中の石段に腰を下ろした。)

「力があるのがうらやましいよ。」

(夏樹は、側の壁に背をもたれて、話を聞いた。)

「そんな簡単なものじゃない。」

「力なんて、望むべきじゃない。」

「誰かを・・不幸にするだけだよ。」

「君は、能力者なのか?」

(夏樹の問いに、ソラはくちびるを噛んだ。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ