HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter86 『理由』 86-26


「ふっ、それとは関係ないだろ。」

「これだけは、やらないと、怒られるんだよ。 静乃さんの受け持ち教科だから・・。」

「へ〜?」

コォォーッ

(夏樹の左腕が、空間に触れ。 開かれた白い指先が、異空間を解除するため、
そっと前方に差し出された。)

「一つだけ、聞いてもいいか?」

「ん?」

(異空間から戻る時、ソラは問い掛けた。)

「望んだものじゃなくて、誰かを、不幸にするかもしれないのに。」

「なんで、そんな風に戦えるんだ?」

コォォォーッ

『「力なんて、望むべきじゃない。」』

『「誰かを・・不幸にするだけだよ。」』

(その言葉には、夏樹の実感がこもっている様に思えた。)

シュンッ・・

「君と、同じ理由だよ。」

(深い紺色の瞳が、微笑んだ。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ