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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-16


「彩先生が、お父様に掛けあって下さったそうですよ。

能力者に触れた方へは、

心が与える影響が大きいというでしょう。」

「良くなるようにと。 こちらは、正式な国からの申請書です。」

「まぁ・・。 首相がお許しを・・? 何年かかったことでしょう。」

「いくら青葉さんの願いを伝えても、お許しにならなかったのに・・。」

「それは喜ぶわ。 首相も来てくださるのかしら?」

「風見市なら。 何より、憧れの彼に、会えるチャンスがあるものね。」

「・・、子供の頃会ったきりだとか。」

「ええ、それなのに。 よく覚えていて・・。」

「あの時、助けてくれたとか。 まるで魔法使いみたいだったとか。」

「傷ついたはずなのに・・、話してくれるの。」

「ええ。 初恋の人なんですって。」

(看護師たちは、微笑み囁き合い。 小さな病室のドアを開けた。)

ガララッ

「青葉さん。 嬉しい知らせよ。

彼に会えるかも、しれないわ。」

(病室の中、明るい日の光の窓辺に少女は居た。)



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